甲南冷機株式会社 トップページへ
甲南冷機株式会社 トップページへ∴ 店舗プランニング ∴ 冷凍/空調/厨房設備 ■■■■■■■■
  ■業務内容  | ■取扱商品  | ■事例  | ■会社案内  | ■お問合わせ  | ■リンク  | ■サイトマップ

事例 エコロプレス記事紹介

エコロプレス記事紹介

 神戸市中央卸売市場の施工について。 掲載元「エコロプレス Vol.57」はこちらから

甲南冷機株式会社

■今回の神戸市中央卸売市場(マグロ低温卸売場)の施工についてお話を伺いしました。
代表取締役社長 笈西 道夫 氏


甲南冷機株式会社
営業部中北部地区販売 課長
田中 忠之 氏

 


●今回の施工で工夫されたところをお聞かせ下さい。
笈西:コンクリートの上に裸でマグロを置くと、どうしても品質が落ちてしまいます。コンクリートの温度が高いということで、1メートルほど床を上げて、コンクリートを冷やしました。そして、壁全体をパネルで囲み、その中の空気の温度とコンクリートの温度を一定にする。マグロのせり場では神戸市場以外どこもやっていない方法をとりました。初めての“床の冷却”、空気の冷却、部屋全体の周りを囲むパネル、シートシャッターなど施工技術・価格面では、一肌も二肌も脱がせて頂きました。今回の工事は、良い勉強させてもらったと思います。我々でないとやれないことっていうのは、すべてやらせて頂きました。神戸市さんには仕事に対して非常に良い評価を頂き、私達も大変満足のいく仕事となりました。マグロの組合長さんにも喜んでもらえましたし、なかなか難しい仕事を甲南さんに問題なくやってもらったと、お礼の言葉を頂き感激しております。

●前川製作所の方もかなりの低予算にも関わらず、良い仕事をしてもらったとおしゃってました。
笈西:神戸市中央卸売市場の特殊な導入工事だっただけに、仲買さんにも役所の公的なところにも甲南冷機がこの施工を担当した事を認知してもらいたいと思いましたし、神戸市のマグロを扱ってる人がせり場に来た時に、この設備どこがしたんやって話になったら、「やっぱり甲南さんか!」ってところを見せとかないかん。それと今期せっかく青果のパネルの冷却のせり場ができたのに、最後に大事なマグロのせり場ができずに来期に延びたら、神戸市としても非常に辛いこともあるやろうし、誰かが頑張ってやらないといけないことだと思いますんで。工事成功は誰よりも嬉しいですね。

●今回アンモニアで施工されたのが初めてとお聞きしたのですが、これから主流になってくるでしょうか?
笈西:そうですね。今の流れを見たら、大きな設備では主流になってくると思いますね。

●アンモニアの工事は、甲南冷機さんが先駆けですか?
笈西:いや、前川さんの機械があってこそできた事です。だから甲南冷機が、アンモニアを使ったって感じではないんです。

●その工事のノウハウは、甲南冷機さんですよね。
笈西:もちろん。ノウハウを持ってなかったら、できなかったことですけどね。これから大きい冷凍設備や、大規模施設ではアンモニアが主流になるのは時間の問題ですし、我々もこれを機に更に技術面の向上を目指したいと考えております。



エコロプレス記事紹介2

 神果神戸青果の施工について。(株式会社DONDON協力) 掲載元「エコロプレス Vol.80」はこちらから

株式会社DONDON
センター長
武田 吉信氏

甲南冷機株式会社
営業部東部地区販売課課長
山下 一氏

 


●会社のご紹介をお願いします。

武田:当社は、神戸市中央卸売市場の荷受会社である神果神戸青果株式会社の100%子会社です。もともとは5年前に神果神戸青果株式会社内において開発部として立ち上がった組織で、激変する生鮮食品流通に対応するための物流センター建設とその運営を担う目的で、一昨年10月1日に株式会社DONDONとして独立しました。

●生鮮食品流通の変化とは?

武田:最も大きな変化は、大手スーパー・量販店や外食・中食産業の産地直送や商社買いが増加するなど、卸売市場外流通が拡大していることです。町の小さな八百屋さんがどんどん姿を消しているなど、小売業界の構造変化も大きな影響を与えています。中央卸売市場、荷受会社もこうした環境変化に対応した自己変革を迫られているというのが現状です。

●御社の設立は、その変革のひとつというわけですね。


武田:そうですね。この物流センターはコールドチェーン化を目指した施設で、産地からの青果物を直接受け入れ、低温管理によって鮮度を保ちながら、適時に小売店などへ出荷する体制を整えています。

特にホウレンソウなどの軟弱野菜は、鮮度が低下しやすいため長期保存が難しく、しかも鮮度によって商品の価値が大きく変化してしまうものですので、いかに鮮度を損ねず、スピーディーかつ効率的に流通させるかがポイントとなります。また、たとえば大手スーパーなどとの取引の場合、週末と平日の取り扱い量が大きく違うという特徴がありますが、それに対応するため入荷した青果物をここでお預かりし、必要に応じて出荷を行うという調整機能も果たします。
また、加工室を設けピロー包装機を導入し、ホウレンソウなどの計量・包装加工を行うことができるようにしました。単に流通倉庫としての機能だけでなく、この中で、商品の負荷価値を高める加工を行えるのが当センターの大きな特徴のひとつです。

鮮度保持、安心・安全の確保だけでなく、商流と物流の分離を推進することで、物流のスピード化・効率化を図るという役割も担っています。それによって生産者・消費者双方に中央卸売市場利用のメリットを提供し、時代のニーズに応えていくのが我々の使命と考えています。


●物流センターの設備構成や施設の概要について教えてください。

武田:敷地面積は約3650平米、建物面積は約1490平米となっています。その中に冷蔵庫を4基備えており、冷蔵庫だけでも約540平米のスペースを確保しています。この他に予冷荷捌室と予冷加工室をそれぞれ2室設け、加工室には自動ピロー包装機を2機設置しています。また、入出庫のためのドックシェルター4基と、大型プラットフォームを併設しています。

●冷蔵倉庫としてはかなり大きな規模ですが、青果物を保管するために特に工夫された点を教えてください。


武田:ひとつは冷蔵庫内に加湿装置を設置したことです。冷蔵庫の中は基本的に湿度が低いので、その中に野菜や果物を入れておくと、特に葉ものなどはしなびたり、パリパリに乾いてしまいます。それを防ぐため、加湿装置によって適度に湿度を補いながら、野菜のみずみずしさを保っているわけです。
もうひとつの工夫は、オゾン脱臭装置です。野菜や果物の香り自体は悪臭ではありませんが、たとえばリンゴなどの香りはかなり強く、リンゴを長く保管した冷蔵庫に他の野菜を入れると匂いが移り、品質に影響してしまうのです。そのため多品種の青果物を保管する我々の冷蔵庫には脱臭機能が不可欠となります。さまざまな脱臭方法を検討した結果、オゾン脱臭を選択しましたが、実はオゾン発生装置で生成したオゾンは脱臭装置の他にも、もうひとつの用途で利用しています。

●それはどんな用途でしょうか。

武田:オゾンには脱臭効果と同時に除菌効果もあります。その効果を生かし、オゾンを水に混ぜ込んでオゾン水を作り、野菜の除菌に用いています。具体的には、先ほどホウレンソウなどのピロー包装加工のお話をしましたが、包装の前に野菜の根元の切り口だけをオゾン水に浸すという方法で除菌を行っています。この作業によって野菜の劣化がかなり抑制できていると感じています。

●では、建物と設備機器の設計・建築に携わられたお立場で、神東建設株式会社様、甲南冷機株式会社様にこの物流センターの特徴をお伺いします。


宮内:最も大きな特徴は、株式会社DONDON社員の皆様と我々業者との、知恵と技術と努力の結晶のような施設という点ですね。当社も企画・設計の段階から参加させていただきましたが、株式会社DONDON様が非常に熱心に取り組まれたおかげで、使う立場でのご意見やご希望が大きく反映された施設になったと思います。

たとえば、当初はプラットフォームはもう少し小さな設計でのご提案を行ったのですが、フォークリフトが自由に行き来できるスペースを確保したいというご要望により、現在の大型プラットフォームに設計変更を行いました。また、荷捌室から冷蔵庫、加工場、プラットフォームへの動線がスムーズで、作業性はもちろん食品の安全性の面でも非常にいい形になっています。これもユーザー様の意見が反映された成果だと思います。
武田..夏場はドックシェルターを利用しなければなりませんが、冬場、特に2トンクラスの小型トラックへの入出荷には、広いプラットフォームが非常に使い勝手がよく、重宝しています。

山下:当社は冷蔵・空調その他、設備機器全般を担当させていただきましたが、設備面では、やはりメインとなる冷蔵庫の部分で、広いスペースをムラなく効率よく冷却し、安定して温度管理できるシステムをご提案することに最も力を注ぎました。また、これまでのお話に出た以外の部分では、各部屋・冷蔵庫すべての扉にプルスイッチを採用したというのも工夫のポイントですね。プルスイッチとはひもを引くタイプのスイッチですが、動線上にうまくひもを垂らすことで、歩きながらはもちろんフォークリフトに乗りながらでも、スムーズに扉の開閉が行えます。特異な技術ではありませんが、ユーザー様の使い勝手を考えた最適な選択だったと思います。また、たとえば冷蔵庫内の照明は複数のスイッチを設け、必要なスペースだけを明るくする方法をとっていますし、広い作業室は透明のビニールカーテンで仕切るなど、随所に省エネ対策を施しています。

株式会社DONDON様が持たれているイメージやご要望を、技術力・情報力・提案力を駆使して、いかに具現化していくかというのが我々の使命でしたが、我々がご提案する内容を、打てば響くような形でよく検討していただき、速やかに採用の決定をしていただいたことが、よりよい結果につながったと思っています。

●株式会社DONDON様、神東建設、甲南冷機、アメフレックの4社が非常によい関係でコラボレートできたことが成功の鍵というわけですね。

武田:卸売市場、荷受会社は全国に数多くありますが、こうした大型冷蔵倉庫を有する物流センターを持ち、物流を専門に担う子会社を立ち上げたのは我々が初めてだと思います。当然、物流センターの建設については我々も素人同然のところからスタートしたわけですので、文字通り試行錯誤を繰り返しながらの道のりでしたね。できあがった設計を最初からやり直してもらったこともありました。結果として事務所をもう少し広くすればよかったなどの反省はありますが、商品の鮮度・品質・安心安全を守るという最も重要な部分で満足のいくものができたので、非常によかったと思っています。

●では、今後どのような展開をお考えですか。

武田:この物流センター自体は神果神戸青果株式会社の施設で、我々DONDONはこの施設を最大限に活かして物流事業を中心に新たな展開をしていくという役割を担っています。昨年12月に完成したばかりで、まだ100%の動きはできていませんが、これからこの物流センターの実力が本格的に発揮できる夏場に向かって、人材などのソフト面・システム面でも充実を図っていきます。コールドチェーン化という意味では輸送部門を持つことも考えていく必要があると思います。卸売市場の物流を担うだけでなく、我々独自の事業を開拓していきたいという思いもあります。DONDONという社名の通り、積極的にどんどんと新しいことに挑戦していきたいと思っています。





Copyright (C) 2004- Kounan Reiki Co.,Ltd. All Rights Reserved.